南相馬市立総合病院

病院からの情報

コラム

乳腺外来について

診察のながれ

マンモグラフィ検査

マンモグラフィ検査は乳房のX線撮影検査です。乳房を片側ずつ圧迫しながら撮影します。視触診でわからない小さな腫瘤や、非常に細かい石灰化(微細石灰化)などで、乳がんをみつけます。当院では最新のデジタルマンモグラフィを完備しており、主に女性技師が担当します。

超音波検査

乳房超音波検査では乳房表面にゼリーを塗り、その上からプローブ(超音波探査子)をあてて乳房内部を検査します。視触診ではわからない小さな腫瘤や高濃度乳房内の病変をみつけることが可能であり、マンモグラフィ検査との組み合わせにより精度の高い診断が可能となります。当院では血流や硬さを測定可能な最新の超音波検査装置を完備しており、主に女性技師が担当します。

針生検

乳房腫瘤が乳がんかどうか、あるいは乳がんの場合ホルモン療法やいろいろな抗がん剤に感受性があるかどうかなどを調べる場合、やや太い針を刺して10~20mmの長さの組織を採取する事ができる検査法です。検査の結果が乳がんであった場合、ホルモンレセプターやHER2蛋白(遺伝子異常)も取れた組織でわかるので、どんな薬が適切なのかがわかります。

乳がんの手術について

手術方法

乳がんの手術は、腫瘍をその周囲の正常乳腺を含めて切除する乳房部分切除(温存)と、全乳房を切除する乳房切除術(全摘)に分類されます。術式で、多臓器に転移する確率は同等すなわち予後に違いはありません。
手術の際の入院期間は約10日間となります。

■乳房部分切除術
腫瘍とその周囲の正常乳腺を切除します。乳房を温存することが可能ですが、切除範囲が大きいほど乳房の変形は大きくなります。また乳房内の再発を予防するために、手術後の放射線照射が必要となる場合があります。

■乳房切除術
乳頭乳輪を含め、全乳房を切除します。部分切除後の大きな変形が予想される場合や、術後の放射線照射を避けたい人が適応となります。

腋窩リンパ節郭清

術前の検査でわきの下のリンパ節に転移が認められる場合におこなわれます。腋窩リンパ節郭清を行うと、感覚が鈍くなる、腕が浮腫む(リンパ浮腫)、腕が挙がりにくいなどの後遺症が発生する場合があります。

センチネルリンパ節生検

腋窩リンパ節郭清を行うことで発生する後遺症を軽減するため、術前の検査でリンパ節に明らかな転移を認めない早期乳がんの方に行います。手術中にセンチネルリンパ節のみを摘出し、転移の有無を確認します(センチネルリンパ節生検)。センチネルリンパ節に転移が認められなかった方は、腋窩リンパ節郭清の省略が可能です。当院では色素法でセンチネルリンパ節生検をおこなっています。

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